稲むらの火
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大臣表彰推薦書
文部省 統計数理研究所 教授
水 野 欽 司

国語教材"稲むらの火"は、昭和初期の国定教科書改訂に際し、全国の教員を対象に教材を公募したとき、当時20代の青年教師・中井常蔵氏が、応募・入選した作品であります。この入選自体は小さな事柄ですが、特筆すべきことは、この教材が当時、全国の小学生( 現在の50歳代に相当 )に多大の感銘を与え、半世紀を経た今日においても語り継がれて、防災教育の要諦であると高く評価されていることであります。
"稲むらの火"の物語は、現に若い世代に対しても、多くの読み物や映像媒体によって広く浸透し、各方面で防災態度の育成、人命尊重の精神の普及に大きく貫献しております。少年期に学ぶ数多い教材の中で、半世紀を隔てて鮮明な印象を残し防災実践の"心"を保つという例は、誠に稀有のことであり、いかに優れた物語であるかを証明しています。
中井氏の物語は、安政地震津波の浜口梧陵の実話と小泉八雲の改作を土台にした小学生向の作品ですが、長時間に渡り、全国の数えきれない多くの子どもや大人に崇高な感動を与え、災害時における心がけや防災の重要性を強く認識させたという意味でわが国の防災向上に対して誠に大きな功績を残したといえます。
加えて、中井氏は、この長い年月、和歌山県の地元において"稲むらの火"の防災精神を普及すべく、度々に渡りマスコミ( TV、新聞 )を通じて多くの人々に防災心向上を説くなど、いまに至るまで精カ的な活動に励んでおられます。

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